前回、サーンキヤは顕現するもの(vyakta)、未顕現なもの(avyakta)、知るもの(jña)の三者の識別がサーンキヤの説く苦からの解脱である、という偈文を紹介しました。 顕現するもの(vyakta)、未顕現なもの(avyakta)、知るもの(jña)を詳細に解説する…
もうすこしサーンキヤについて。 『サーンキヤ・カーリカー』の冒頭で、ヴェーダの教義もまた経験的な他種の対処法と同様である=過失が認められる、ということが述べられました。 なぜでしょうか。 前回記事に掲載した偈文では①不浄、②消滅、③優位の別とい…
サーンキヤ思想は Kapila カピラ によって前4Cごろに創始されたと言います。 とはいえ遺存する文献は少なく、今日ではイーシュヴァラクリシュナによる綱要書『サーンキヤ・カーリカー』(5C)が最も代表的な典籍として知られています。 同書の註釈文献は(…
前回の記事のつづきです。 前記事で、サーンキヤは一般に六派哲学――ヴェーダという古典的な思想を継承した六種の思想――のひとつと説明されるが、時代によってはそうではなかったのかも知れない、そもそも六派哲学というカテゴリーは必ずしも絶対ではない、と…
講義でサーンキヤがとりあげられたのでSāmkhya サーンキヤについて。 サーンキヤは一般に六派哲学のひとつとして語られています。 六派哲学とは、インド哲学における伝統的な権威たるヴェーダの思想を継承した、六つの哲学思想のことを言います。 サーンキヤ…
個人スケ的に、木曜日は文献学関係の勉強会・講義が特に集中する曜日です。 したがって、前日水曜日はたいへんバタバタします。 そんな木曜日の大トリが、「ニヤーヤ・プラヴェーシャ』の講読です。 で、今日の予習のなかで、少なからず気になってた疑問が氷…